ウェブ時代をゆく〜いかに働き、いかに学ぶか〜

梅田望夫さんの『ウェブ時代をゆく〜いかに働き、いかに学ぶか〜』を読みました。



本書は現在ウェブ上で起こっていることやこれから先どうなっていくか、それに対して私たちがどのように生きてゆけばよいのかを多数とりあげて、わかりやすく書いてあります。



ウェブに関してまだまだ知らないことが多いので、私は刺激を受けながら、“ウェブの持つ力”に感心しながら、読み進めることができました。



なので、ウェブにあまり興味のない方でも、前作の『ウェブ進化論』とセットで読む必要があると思います。




本書で特に気になった点は“ロールモデル思考法”という考え方である。



これは自分の「好きなこと」「向いたこと」を見つけ、それを育てていくためにはどうしたらよいのか、と考えた際の著者の独自の思考法です。


ロールモデル思考法とは、ただ「誰かみたいになりたい」「こんな職業につきたい」という単純な願望から一歩進み、自分の志向性をより細かく定義していくプロセスである。

私もそうなのですが、『自分の「好きなこと」「向いたこと」は一体何なのか』という疑問に対して答えを求めようと自分に問い続けても、なかなか出てこないで、煮詰まってしまう方が少なくないと思います。



そこで、具体的な答えが見えなくても、「ある対象に惹かれた」という“直感”を信じ、その対象をロールモデル(お手本)として外部に設定します。
そしてなぜその対象に惹かれたかを考え続けます。



この流れを繰り返していくと、多数のロールモデルの発見でき、自分の志向性についてあやふやだったものがはっきりとしてきます。




梅田さんは「好きを貫く」という言葉をよく使いますが、「好きを貫く」にはまず「好き」なことが見つからないと始まりません。
自分の「好き」を、受動的ではなく、能動的に行動して見つけるために、この“ロールモデル思考法”が存在するのです。



ウェブは、「志」を持って能動的に対峙したときに、まったく異なる相貌を私たちに見せるものである。
「志」さえ持てば、ウェブは「人生のインフラ」として「個」を大いに助けてくれる。


著者は最後にこう述べています。




私はウェブの力を利用して、まずは『“不特定多数無限大”から学ぼうという「志」』を持って、この「時代の変わり目」を生きてゆきたいと思います。


なので、ブログのコメントをいただけた際にはその意見をまずしっかりと受け止めることから始める必要があると思いました。


ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

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ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

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