非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門

飯間浩明さんの『非論理的な人のための 論理的な文章の書き方入門』を読みました。



社会人になったら、確実に文章を書く機会が増えると思います。
しかし、自分の文章が論理的になっていないと、自分が伝えたいことが伝わらずに終わってしまいますよね




『では、自分の考えを伝えて、理解してもらえるような文章を書くにはどうしたらいいのでしょうか?』




それには、“「クイズ文」という、「問題・結論・理由」という形式に沿った文章を書けばいい”と本書では言っています。


『なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ』

本書で言いたいことは、上記で述べたことに集約されます。



そして、「クイズ文」を書き方や書くにあたっての注意点などがどっしりと詰め込まれているわけなのですが、具体的な文章の例が数多く載っているので、とても分かりやすくなっています。





また、本書では「クイズ文」というのに対するものとして、「日記文」を挙げています。



「日記文」とは、文字通り日記として書く文章のことで、私たちが日常普通に目にする文章形式のことです。




「クイズ文」と「日記文」の違いとしては・・・・

 
「クイズ文」―「問題・結論・理由」の形式をとる
        主観を排し、一つの考えを確実に伝えようとする。

「日記文」 ―「事実・感想」の形式をとる
        主観(感想)を含み、言いたいことを複数盛り込んである。




それに加えてもう一点だけ、両者の違いがあります。


それは、“読者の反応の違い”です。



読者は、「日記文」に書かれた感想については、論理的に反応することができません。
一方、主観を入れないように注意して書いてある「クイズ文」なら、論理的に反論ができます。



例えば、「電車内での音漏れは迷惑だ」という「日記文」があったとしても、その人の主観が入っているため、「音漏れは別に迷惑ではない」といわれるだけで、いくら議論しても決着はつきません。



それに対して「音漏れの責任はメーカーにある」と書かれた「クイズ文」では、主観を排しているため、「いや、ユーザーに責任がある」などと反論ができます。
その後も、反論に反論が続いていつか決着がつくのです。



つまり、

説得力のある文章とは、始めからしまいまでまったく読者に反論を思いつかせない文章ということではありません。
むしろ、いくつもの反論を呼び起こします。

私もまだまだ論理的な文章を書けるには程遠いと思いますが、この「クイズ文」というのは楽しみながら文章が書ける、画期的なものだと思いました。



そういった意味でも、本書を読めば、論理的に文章を書くコツのようなものをゲットできると考えます。



社会人になるまでには、きちんとした文章を書けるようにしたいものですね。