勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践

勝間和代さんの『勝間和代のビジネス頭を創る7つのフレームワーク力 ビジネス思考法の基本と実践』を読みました。


本書はビジネスにおいて他の人より一歩先を行くために必要な基礎的なものの考え方(フレームワーク)を、論理思考力、水平思考力、視覚化力、数字力、言語力、知的体力、偶然力の7つに分類し、それぞれの力を身につけるための3つの基本テクニックと、4つの実践方法について、具体的な例や勝間さん自身の体験・経験を取り入れてわかりやすく書かれています。



約300ページほどあり、ボリュームが大きいですが、とても読み応えがある本となっています。
読みながら線を引きっぱなしだったので、まとめるのに大変ですがとりあえず7つのフレームワーク力それぞれのポイントを挙げてみたいと思います。



その前にまず「ビジネス思考力」の定義を書きたいと思います。



ビジネス思考力とは・・・


A.ビジネスの場を中心として

B.限られた情報と限られた時間の中で
   ・限定的な情報を効率よく集めて、うまく組み合わせ、一定の時間までに次の行動につながる解を導いていく
   ・「間違った仮説・結論であっても、仮説がないよりはずっとまし」
   ・鮮度はいいけど確度が多少悪い判断の方が、遅くて正確な判断よりもよほど重要だから、限られた情報の中でどんどん意思決定をする必要がある←ただし、あくまで修正可能であることが条件

C.より適切な推論・判断を行い
  ・推論・判断が適切で速い人は、“フレームワーク力”が豊富
  ・フレームワーク力=既存のフレームワークを正しく使う能力、そして新しく自分でフレームワークをつくっていく力

D.より適切な行動を起こすことで
  ・行動さえできれば、圧倒的に他社より優位に立てる!

E.より高い付加価値を生み出す能力


  • ビジネス思考力で大事なのは、結果ではなくプロセス
  • 最低限の知識をつけたうえで、実際に一つでも多く痛い目に遭いつつ新しいフレームワークを頭の中で積み上げてく
  • 知識→理解→応用→分析→統合→評価 の流れを何回も何回も繰り返す

フレームワークとは・・・

  • 現実を観察する方法を構成する仮定、概念、価値、慣行の集まり
  • 大事なことは、自分でフレームワークを様々な経験や学びの中から一つでも多く見つけ出して、頭の中で整理し、さらに新しいフレームワークを自分でつくっていくこと
  • フレームワークをたくさん持つということは、頭の中で様々な情報を処理し、判断し、意思決定を行う際に、その場に応じて最適な道具を使えるということ


1.論理思考力

  • 一見ランダムに見えるような事象、関係性が明確でない事象であっても、その事象を支配する何らかの法則や関係性を導き、その関係性の中で、その場ではまだ明らかになっていない事象や将来の不確定事項について、高い確率で起こりうることを推察する力
  • 3つの基本テクニック
  1. MECE(漏れなく、ダブりなく)
  2. ピラミッド・ストラクチャー
  3. 思考を仮説からスタート

  ・ランダムな思いつきで行う予想と、MECE+ピラミッド・ストラクチャーに基づく仮説設定では、その分析結果の制度が異なる


  • 身につけるための4つの実践方法
  1. 日常業務での練習
  2. 論理パズルを解く
  3. なぜ五回を考える
  4. 観察から仮説をつくる習慣をつける


2.水平思考力(ラテラル・シンキング)

  • 直感や想像、新しいものの組み合わせなどから、解の仮説をイメージする方法
  • ロジカル・シンキングが絞り込む思考法だとすると、ラテラル・シンキングは広げる思考法
  • 「Out of the Box Solution」(想定した範囲以外から出てきた解)とも呼ばれる
  • 3つの基本テクニック

1.前提を疑う
2.見方を変える
  ・自分の考え方、見方から離れる
3.組み合わせてみる―
  ・新しいアイデアなどは存在せず、既存の何かと何かを組み合わせることで、新しいアイデアに仕上がる


  • 身につけるための4つの実践方法

1.アイデアの量を増やす
2.アイデアを試してみる
  ・たくさんのアイデアを出して、まずは試してみる→王道のやり方
3.失敗から学ぶ
  ・「よい失敗」の回数が多いほど、成功につながるスピードが速まる
4.他者を活用する
  ・多くのラテラル・シンキングのアイデアは、一人で黙々と考えたものではなく、人と話をしていて急に浮かんだり、何かのピースが足りないときに、そのヒントを思いもかけない人がくれたりして生まれることが多い




3.視覚化力

  • 論理思考力、水平思考力で分析したものをもう一度新しいものに組み直すには、視覚化力、数字力、言語力の三つが必要である→三つで統合して初めて、考えを整理し人と共有することができる
  • Visualizationとは、何かの概念やものごとをVisualにする、すなわち、画像にして目でわかりやすくすること
  • 3つの基本テクニック

1.画像のパワーを使う
  ・何かを統合して表現する際には、イラストやグラフ、図解などを使う訓練を意識的に行ってみる
2.デザインの力を身につける
3.画像と文字を組み合わせる


  • 身につけるための4つの実践方法
  1. フォトリーディングマインドマップをマスター
  2. イメージ・ストリーミングを習慣的に行う
  3. イラスト・図表を常に意識して使うクセをつける
  4. 睡眠を十分にとり、夢を活用

4.数字力

  • 大きな情報をできるだけ減損することなく受け渡す媒体が画像→情報を絞って最もシンプルにしたのが数字
  • 数字が読めない、理解できないというのは、「ものごとを組み合わせる創造性が弱い」ということにもつながる
  • 3つの基本テクニック

1.数字の意味を知る
  ・数字のいちばんの役割は、感性と理性をつなぐことにある
2.数字に分解する
  ・数字を分解してはじめて、将来の可能性について測定可能、管理可能な状態になる
3.統計を読む
  ・分からないことをわかるようにするというよりは、数字を使ってものを考えるときに、その背景にあるものを   知るためのヒントを与えてくれる


  • 身につけるための4つの実践方法
  1. 統計データを見る習慣をつける
  2. 身の回りのわかっている数字を記録する
  3. 数字から仮説をつくる
  4. 数字を使って人に説明してみる

5.言語力

  • 3つの基本テクニック

1.なるべく多くの知識・説明を知る
2.言葉に落とす習慣をつける
  ・何となくわかった気になっているということと、実際に言葉に落とせるということには、雲泥の差がある
3.比喩を意識する


  • 身につけるための4つの実践方法

1.読書・読書・読書
  ボキャブラリーの裏側にある知識、経験、世界観、考え方、想定、仮定、そういうものを知るのが読書
2.話す時間・書く時間の質量を高める
3.辞書を引き検索するクセをつける
4.ブログで訓練する



6.知的体力

  • いかに身体を健全に保ち、心も健全に保っていくか→この心と体の関係=“知的体力”
  • 3つの基本テクニック

1.身体と頭の関係を理解する
  ・思考は五感全体、身体全体で行われている
  ・頭を鍛えるのと同じくらいの労力を使って、身体を鍛えるべき
2.健全な精神が健全な発想を生む
3.食べ物と知力の関係を理解する


  • 身につけるための4つの実践方法

1.ブレインジムの体操を行なう
2.聴覚、触覚、味覚、嗅覚を鍛える
3.三毒を追放する
  ・三毒とは、妬む・怒る・愚痴るのこと
4.身体にいいものを中心に生活する



7.偶然力(セレンディピティ)

  • 偶然の中でチャンスを発見する能力=あてにしてないものを偶然うまく発見する能力
  • 偶然のチャンスを見逃さず、新しいことへとつなげていく力
  • 偶然力を生かす5つの考え方
  1. 好奇心
  2. 持続性
  3. 楽観性
  4. 柔軟性
  5. リスクテイキング ―迷った時にはリスクを取るべき
  • 3つの基本テクニック

1.偶然のチャンスを生かす
  ・偶然のチャンスというのは、十分に準備をしたなかではじめて出てきて、そこで偶然に、「ああこういうことなのか」と、答が向こうからやってくる
2.与えられた情報の中からつながりを見つける
3.無理に格好をつけない


  • 身につけるための4つの実践方法
  1. 良いチャンクを集める
  2. つねに観察しつづける
  3. 魅力的な人々に会う
  4. つねに周りをポジティブな視点で見る

このようにひたすらポイントだけを書きましたが、それだけ本書は役立つことが多いということです。
少し疲れましたが、これで自分でも時々見直すことができます。