ウェブ進化論〜本当の大変化はこれから始まる
梅田望夫さんの『ウェブ進化論〜本当の大変化はこれから始まる』を読んだ。
現在では“ウェブ”というものは私たちの身の周りにあり、あって当然だと思われる方が多いと思います。
ウェブで知りたい情報も手に入るし、また情報も発信することができます。
しかし、“ウェブ”そのものに関して知る人はあまり多くないはずです。
これ一冊でそういった昔から現在へのウェブ世界の変化の流れ、またこれからウェブ世界はどういう風になっていくかということに関して、詳しく知ることができます。
また、主にグーグルに関連することが書いてあるのも本書の特徴です。
なので、ウェブに関してあまり詳しくない方からウェブに常に携わる方(ITに関わる方など)まで、“ウェブ”に関しての新しい発見があると思うので、おすすめします。
本書でおもしろいのは、ネットの「こちら側」「あちら側」というユニークな視点でみていることです。
ネットの「こちら側」とは、インターネットの利用者、つまり私たち一人一人に密着したフィジカルな世界である。
ネットの「あちら側」とは、インターネット空間に浮かぶ巨大な情報発電所とも言うべきバーチャルな世界である。
言い換えると、「こちら側」とは企業の従来からの閉じた情報システムなどの世界であり、「あちら側」とはグーグル、アマゾン、ヤフーなどが“ネット上”でサービスを展開する世界である。
著者は技術変化の大きな流れとして、ネットの「こちら側」から「あちら側」へのシフトがこれから確実に起きてくると予想しています。
また、本書での一つのキーワードとして「不特定多数無限大」がある。
ネットやブログに関しての論説の多くは、不特定多数無限大の参加は「衆愚」になるはずであるという根強い考え方がある。
ウィキペディアがよい例である。
ウィキペディアはネット上の誰もが自由に編集に参加できる百科事典である。
専門家が書くのではなく、不特定多数無限大の人が参加するのだから信頼の度合いにかけるのではないか、という批判が出るのも当然である。
本書では『ネット上の「不特定多数無限大」を信頼できるかどうか』という問題提起に関しても詳しく述べられているので、本書をお読みいただければと思います。
本書は私にとっては少し理解するのが難しかったので、もう一回読む必要があると思いました。
しかし、“ウェブ”の奥深さ、すごさを知ることができただけでも収穫であると思いました。
以下メモ↓
◎オープンソースとは、あるソフトウェアのソースコード(人が記述したプログラムそのもの)をネット上に無償で公開し、世界中の不特定多数の開発者が、自由にそのソフトウェア開発に参加できるようにし、大規模ソフトウェアを開発する方式のことである。
◎ブログは個にとっての大いなる知的成長の場。
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/07
- メディア: 新書
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